40代以降は「転職」かそれとも「独立」か

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会社に勤めている方の中には、『今の会社で勤めているのがつらい』『転職してもっとよい環境で働きたい』と一度は思ったことがある方がほとんどではないかと思います。

かく言うわたしも、退職して独立する道を選択した者の一人です。

転職」と「独立」どちらのほうが良いのかは個人によって変わりますし、年齢や環境によっても違ってくると思います。

この記事では、転職活動も行なっていたわたしが転職」ではなく、なぜ「独立」を選んだのか、その理由を紹介します

わたしの経験が同じように転職や独立で悩んでいる方の参考になれば嬉しいです。

40代の転職は厳しいという現実

『転職するなら35歳まで』というイメージを持っている方もいるのではないでしょうか。
わたしもそのようなイメージを持っていましたが、最近は転職することにも市民権が与えられてきた印象を持っていましたので、ある程度は転職先があるのではないかと楽観視していました。

わたしは、以前は、世間一般で言う大手企業に勤めていて、ある程度収入は安定し、会社が潰れる心配もない環境でした。会社が倒産して転職せざるを得ない方からすれば、まだ恵まれた環境だったかもしれません。

『会社を辞めたい』と考える理由は人それぞれですが、わたしの場合は長時間労働が原因でした。
ひどい時には睡眠時間2時間程度でまた出社しないといけない状況、『年を取ってもこのまま続けていけるだろうか』と不安に思っていました。

そして、いくら意見を出しても環境改善されず、「個人の状況」よりも「組織の都合」を優先する会社に不信感を抱き、転職するか独立するかを30代後半から考えていました。

「行政書士資格」を取得し、独立も視野に入れて転職活動をしていましたが、現実は厳しいものでした。

転職活動は、転職エージェント転職サイトで行いました。
転職エージェントのキャリアアドバイザーの方と面談した際に、『30代後半からは、書類審査の時点で通過が難しくなり、通過率は10%から15%程度と聞いていました。

常に10社〜15社は書類選考の企業をキープしていなくてはならず、一定の割合で面接にも行かなくてはいけないですし、職務経歴書もブラッシュアップしていかなくてはなりません。

当然、働きながらこのような転職活動をするわけですから、時間も労力もかかります。
そして、苦労して入社できたとしても、現在の会社より環境が改善される保証もありません。

『いっそのこと今の会社に残ろうかな』とも考えましたが、長時間労働と睡眠不足で体を壊してからでは遅いと思い、独立する道を選択しました。

特別なスキルを持っていて引く手数多の方や、キャリアアップのために転職できる方とは違い、わたしのような一般庶民の転職活動の現実は厳しいものでした。

40代や50代での転職は、即戦力として雇用されるので、専門的な知識やキャリアがなければ厳しいというのが現実だと感じました。

出典:厚生労働省  性、年齢階級別転職入職率(令和3年上半期)

グラフの通り、男性の35歳以降の転職率が34歳までと比べると極端に下がることがわかります。

独立してからも転職活動はできる

わたしは退職届を出した時に、『次は決まっているのか?』『その年齢で退職してどうするつもりか?』と人事の担当者に問い詰められました。

「会社に所属しているのだから会社に尽くすのが当たり前」といった内容のことを言われ、『退職することは悪いことをしている』と言われた印象を持ちました。

日本の社会では、まだまだ転職することに否定的な考えを持っている人がいるのが現実だと思います。

勤めている会社が倒産などで転職するしかない状況以外は、今の会社に不安や不満があって転職するわけですから、今の会社よりも好条件の転職先が決まっていることがベターではあると思います。

しかし、先入観として、転職先が決まってないと退職してはいけないと思っている方は多いのではないでしょうか。「どこかの企業に属することが必要」と思っている方が多いことが理由だと思います。

転職や独立をしたくても、「家族を養っていかなければいけない」「住宅ローンや車のローンを返済しなくてはならない」と安定した収入が必要な方も多いかと思います。

わたしも、家族を養っていかなければいけませんし、ローンの返済もありました。
そんな中で退職することを選んだのは、日々の仕事で疲弊した状態では転職活動も独立準備もできないと思ったからです。

わたしの勤めていた企業は長時間労働が当たり前の会社でしたので、「平均睡眠時間は5時間程度」「休みの日には疲れが溜まりすぎてやる気が起きない」という状態でした。

現状を打開するには環境を変えるしかないと思い退職という道を選びました。

わたしは独立という道を選択しましたが、独立してからも転職活動は続けられます
万一、独立開業がうまくいかなくても、良い転職先が見つかれば就職すれば良いだけです。
色々な道を選択できるように、いかにリスクヘッジしていけるのかが大切だと思います。

今いる会社の中で疲弊し、不平不満だけを募らせて、一歩も前に進むことができない状態を何年も繰り返すことは人生を無駄にすると思います。

いつでも「退職できる準備」はしておく

『今の会社に不平不満があっても、独立も転職もなかなか踏み出せない』
『このまま今の会社に居続けることが正解ではない気がする』
そういった漠然とした不安や苛立ちを持っている方も多いかと思います。

前述の通り、40代50代の転職状況は厳しいものがありますし、家庭を支えている方も多いと思うので無収入の時期ができてしまうことも転職や独立を思い止まらせる要因かと思います。

『何ヶ月でも無収入で大丈夫だ』と余裕のある方であれば問題ないかと思いますが、実際のところはそのような余裕がある方は少ないかもしれません。

昨今では副業ブームという言葉を耳にしますが、実際に副業で本業の会社を辞められるほどの収入を得ることができている人は全体の何パーセントでしょうか。

そして、まだまだ副業を認めていない企業も多いので、会社に内緒で副業したり、規模を小さくせざるを得なかったりと、足枷があるのが現状ではないでしょうか。

では、「会社をいつ辞めてもいいようにするための準備」とは、具体的には何をすれば良いのでしょうか。
それは情報を集めること。わたしは、これに尽きると思いました。

転職活動もその一つです。
実際に転職しなくても、今の自分のキャリアの中で転職できる企業はあるのか?
今の業界と違う業界に入るにはどのようなスキルがいるのか?
転職活動を通じて、そのような情報を手に入れるだけでも十分に価値はあると思います。

将来的に独立を視野にいれるのであれば、独立に適した資格はどんなものがあるのか?
在宅ワークが目標であれば、どのようなスキルがあれば実現するのか?
飲食店など、公の許認可が必要な業種に興味があるのであれば、どのような手続きが必要なのか?

毎日同じように会社に行って、いつもの人間関係の中で、自分をいつも取り巻いている情報の中では、いつもの毎日が繰り返しやってくるだけだと思います。

わたしは、独立を視野に入れて行政書士資格を取りました。
成功する保証なんてないですが、自分に自信がもて、家族を説得することができ、退職して独立するという道を選択できました。

いつもとは違う情報を得ることで、人生が好転する転職や独立のチャンスがめぐってくることもあるかと思います。

わたしは5年以上も『このまま今の会社に居て幸せなのだろうか』と思いながらも、何もせず時間だけを費やしてしまいました。

わたしの経験が、会社を退職して「転職」や「独立」をしたいと思っている方の何かしらの参考になれば幸いです。

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