行政書士試験に出てくる重要キーワードで「重大な過失」があります。
「過失」という言葉は多く出てきますので、「過失」か「重過失」かで惑わす問題が出題されます。
令和3年本試験の記述式問題においても、「重大な過失」のキーワードが記述できるかの問題が出題されました。
択一式問題においても、「過失」か「重大な過失」かを理解していなければ落としてしまう問題も出題されていますので、「重大な過失」という言葉が入るものは押さえておく必要があります。
この記事では、「重大な過失」という言葉が入るものをまとめました。
重大な過失とういう言葉が入るもの
失火責任法
国家賠償法で失火責任法の適用があり、公務員の失火責任は重大な過失がなければ追及できない。
(国に対する損害賠償責任が追及できない)
相殺
相殺は特約で相殺禁止とすることができるが、善意かつ無重過失の第三者には対抗できない
契約不適合
種類、品質に関する不適合は、買主が引き渡しを受け、その不適合を知った時から1年以内に、売主に通しなければ履行の追完請求等をすることができない。
ただし、売主が引き渡しの時に、その不適合を知り、又は重大な過失により知らなかったときは、この限りではなし。
意思表示の錯誤
錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであるときは、錯誤の意思表示は取り消すことができる。
しかし、表意者に重大な過失があったときは、錯誤の意思表示は取り消すことはできない。
ただし、以下のどちらかの場合は、表意者に重大な過失があったとしても、意思表示を取り消すことができる。
①相手方が表意者に錯誤があるとこを知り、または重大な過失により知らなかったとき
②相手方が表意者と同一の錯誤に陥っていたとき
債権の譲渡
債権譲渡の禁止、又は制限をする意思表示をしたときであっても、債権の譲渡は有効となる
ただし、債権の譲渡制限の禁止を知り、又は重大な過失で知らなかった譲受人からの履行の請求を、債務者は拒むことができる。
使用者責任
被用者との法律行為をした相手方が被害を被った場合、原則は、使用者責任により使用者にも損害賠償請求ができる。
しかし、被用者が職務権限内に適法に行ったものでないことを、相手方が知り、又は重大な過失により知らなかったとき、使用者に対して損害賠償請求はできない。
緊急事務管理
管理者は、本人の身体、名誉又は財産に対する急迫の危害を免れさせるためい事務管理をしたときは、悪意又は重大な過失がなければ、これによって生じた損害を賠償する責任を負わない。
まとめ
法律では「過失」という言葉がよく出てきます。
その中で、「重大な過失」という言葉は、あまり多くは出てきません。
よって、「重大な過失」と入るところを押さえておけば、択一式問題や記述式問題の対策になります。
わたしは、「重大な過失という言葉が出てくるもの」としてノートにまとめていましたので、令和3年の記述式問題45を書くことができました。
わたしの経験が少しでもみなさんのお役に立てれば幸いです。
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