会社を辞めるときに気を付けることは?ポイントを3つ解説

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最近では、転職することに抵抗の無くなってきた時代と言われてきていますが、実際には転職を繰り返して年収を上げている人はごく一部かと思います。

少なくとも、平凡な社会人生活を送っているわたしの周りには、「ジョブホッパー」と言われるような転職を繰り返す人は居ません。

ということは、いざ自分が転職なり独立なりで退職しようとしたときに、何に気をつけたらよいのか?周りに相談できる人が居ない状況なのです。

わたしは、『今年度中には退職し独立したい』と考えているので、少しでも退職で損をしないように、注意点を書籍やネットで勉強しました。

この記事ではわたしが退職に関する情報の中で、知っておいたほうが良いと思ったものを紹介します。
わたしと同じように独立や転職のため、退職を考えている方の参考になれば幸いです。

自己都合退職と会社都合退職

退職するケースで一番多い理由は「自己都合退職」で、「一身上の退職」とも言われます。

令和2年の転職者実態調査では、転職者の「自己都合退職」の割合は76.6%と、ほとんどの転職者が自己都合による退職をしいてることが分かります。

会社都合退職と自己都合退職では、失業保険を受け取れるタイミングが変わってきます。失業保険を受け取ることができない期間ができてしまうので十分注意したいところです。

自己都合退職

自己都合退職を行う場合、まずは会社に対して退職の意思表示として「退職届」を出さなければなりません。

退職の意思表示の期間については、民法627条1項に次のように規定されています。

当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了する。

当然、就業規則よりも民法が優先されますので、仮に就業規則に『30日前までに退職の意思表示をしなければならない』とあったとしても、退職日の2週間前であれば良いということになります。

つまり、退職の申し入れをしてから2週間が経てば、使用者の承諾がなくても会社を辞めることができるのです。

しかし、円満に退職するにこしたことはないので、『ブラック企業で退職届を受け付けてくれない』などがない限りは、就業規則に書かれている期間を守るのが良いかと思います。

わたしの勤めている会社の就業規則では2週間前まででした。会社によって就業規則が違いますので、一度確認する必要があります。

自己都合退職の場合の失業保険

退職されてすぐに働かない方は、失業保険を貰いながら転職活動をしようと考えている方もいるかもしれません。

この失業保険ですが、退職後申請してすぐには受給できないのです。
失業保険を貰うための流れは、離職票などの必要書類を持ってハローワークに求職に行き、面談を行うことで「受給資格」が決定されます。

自己都合退職の場合は、受給資格決定日後の7日間の待機期間経過後に2ヶ月間の給付制限があります。
要は、ハローワークに行ってから、失業保険を受け取れるまでに2ヶ月以上かかるということです。

退職後、『しばらくは失業保険でのんびりしたいな』と思っていても、無収入になる期間があるので注意が必要です。

会社都合退職の場合の失業保険

会社都合退職は「リストラ」や「解雇」、「倒産」などの会社都合により、自分の意に反して会社を辞めなければならないケースです。

会社都合退職の場合で、会社から「退職届」を出すように言われても、自己都合退職ではないため、提出する必要はありません。

失業保険受給の際に不利になってしまうこともあるみたいですので、会社都合退職の場合は退職届は出さなくて良いと覚えておきましょう。

会社都合退職の場合は、自己都合退職と違い、2ヶ月間の待機期間がありません。
ハローワークに行って、受給資格決定日から7日間の待機期間の後、失業保険を受給できることとなります。

退職時の有給休暇請求

退職時は、残っている有給休暇を消化して損することなく退職したいものです。

わたしが勤めている会社では、退職時はきっちりと有給消化して退職できるますが、引き継ぎなどを理由に有給消化を拒否されることもあると聞きます。

有給休暇は労働基準法に定められている労働者の権利です。
有給取得を申請された会社側が行使できるのは、労働者が請求した有給の時期を変更する時期変更権だけです。

会社側に有給取得を拒否できる権利はありません。
よって、引き継ぎなどを理由に有給を受け付けないということはできないのです。

残った有給休暇を退職日までに消化するよう申請した場合、退職日までに時期を変更することができないため、会社側は時期変更を行使することはできません。
よって、残った有給休暇をすべて使うことができるということになります。

退職日は月末が良い

退職日が1日変わるだけで、社会保険料に大きな違いが出ることがあります。
わたしも『退職するときは何月が有利なのか』と退職月ばかり気にしていましたが、退職日にも注意が必要ということを知りました。

会社員は社会保険に加入していますが、会社を退職すると被保険者資格を喪失することになります。

社会保険では、退職日の翌日を資格喪失日とし、資格喪失日のある月の保険料は徴収しないという決まりがあります。

例えば、3月31日付けで退職した場合、資格喪失日は4月1日ということになります。
この場合、3月分までの社会保険料が徴収(給料から天引き)され、3月に2月分と3月分の2ヶ月分の保険料が徴収されることになります。

これに対し、3月30日付けで退職した場合、資格喪失日は3月31日ということになります。
月末退社の時とは違い、3月分の社会保険料は徴収されないことになります。

給料から天引きされている社会保険料は前月分となります。
たとえば、3月に徴収される保険料は2月分の保険料ということです。

月末退職の場合は、『退職月に2ヶ月分の保険料が徴収されるから損じゃないの?』と思うかも知れませんが、月末以外で退職した場合は、その月の保険料を給料天引きではなく、自分で納付しなくてはいけなくなります。

給料天引きで支払われている保険料は半分は会社が負担してくれています。
自分で納付するとなると、全額自己負担となるので、1ヶ月分余計に全額自己負担となり、月末退職したときよりも損をしてしまう可能性があります。

まとめ

日本人の転職回数の平均は2.8回と言われており、長い社会人生活の中で転職をする機会はなかなかありません。

会社を辞めるときに何に気をつけたら良いのか?
失業保険はいつから受け取れるのか?
退職する時は有休消化をして辞めれるのか?

そういったことを相談できる方が周りにいる方も多くはないかと思います。
退職に関することを会社に相談するわけにもいきませんし。。。

会社を辞める際の知識がないと、想定していたことと違い、当てにしていた失業保険が受け取れなかったり、有給消化できなかったりと思わぬ事態になってしまいます。

しっかりと事前に準備し、円満に退社できるようにしたいものです。

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